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イッセイエッセイ

995号 虫やら鳥やら

2014年10月01日(水)

 夜になるとだいぶ冷えるようになってきた。外灯の近くのガラス窓には守宮が夏からつづいて出没している。火取虫を餌にしようと窓ガラスの外側にへばり付いている。虫をとる場面にはめったと出くわさないが、今晩は廊下を曲るとき、ちょうど蛾を食わえた場面に出会った。自分の頭よりもやや大きな白い蛾を捕えたところである。なにを好んでこんなものを食するのか、蛾を食う虫も好きずき。薄くひらひらとした花びらを食っているように見える。平常は灯に集まるもっと小さい虫をつかまえているようだ。
 ガラスの向こう側の出来事であるから、音もなく守宮と虫の動きだけが映るので、かえって気味のよい見物ではない。ふつうに目撃するような景色とは異って、裏側から透き通るように見ることになる。
 毎晩現われる守宮がいつも同じ虫物なのかどうか確かではなく、ある日から急に見えなくなることもある。庭を夜に出入りする猫の声もよく聞くので油断はならない。窓ガラスには大体は一匹が動いており、大小二匹のときもあるが仲がわるく大きい方が追い払おうとする。
 昼のいまの季節は、モズが定期的に木にやってきてけたたましく鳴く。樹木の伸び方が今年は変ってしまい、梢が手前の枝葉に隠れてわからなくなり、去年のように鳴いている姿がみえない。遠くの電線に止るときには点のような黒い影が確かめられる。モズが鳴くとき、その声に仲間と勘ちがいをして続けて蛙が鳴き出すことがある。これは蛙にとっては危ない。守宮は鳴くことはないのだが、速贄にされないよう昼は身をかくしていなければならないだろう。

(2014.9.28 記)