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イッセイエッセイ

966号 住民の数について-モンテスキュー「法の精神」から

2014年08月02日(土)

 「当時、イギリスでは放牧(牧草地)の増加によって住民が減り、フランスでは葡萄畑が増えて人間が増加した。土地の産物の違いによって、そこで人間をどれほど多く仕事に就かせることができるかどうかに、差があるからである」(4部23編14章)
 モンテスキューの上記のような文章に接するとき、われわれは直ちに戦後日本の米作の変遷に思いが至るであろう。土地改良にともなう灌漑の進歩、稲作技術における省力化によって、水田の広がる田舎の地方には、人間の数をだんだん必要としなくなった。しかもお米の経済価値が並行して低下した。したがって人口も減少の一途をたどった。農業にだけ限って云っても、園芸のようにある程度人手がかかり付加価値が生じる仕事を始めなければ、米づくりだけでは人口を吸収することができないのである。

(2014.7.下旬 記)