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イッセイエッセイ

900号 エネルギーはどうあるべきか

2013年12月21日(土)

 ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英教授のエネルギー問題に関する提言(「500年後の責任意識を」)が、12月4日付の電氣新聞(「エネルギーの選択」)に掲載されている。以下に主な論点を整理し記す。
・エネルギー資源
 化石燃料は有限であり300~400年後には枯渇する。シェールガス開発が進展しても可採年数が100年延びる程度の話。
 究極的には核融合発電になるが準備ができていない。再生可能エネルギーも安価な蓄電技術がない限り、安定利用はできない。原子力を含む多様なエネルギーを最善を探りながら使うしかない。
・原子力の安全性
 原子力発電でどんな反応が起っているかは、分り切った技術。コントロールできないということはない。平和利用という観点でいえば、核兵器に使いうるプロトニウムを生み出すという点は留意する必要があるが、人間が理性でコントロールできること。
 「危険だから要らない」というのは一番楽な判断だが、科学的ではない。
 既存の専門家が事故で信頼を失ったといって感情的に排除するのではなく、彼らに正しく働いてもらうシステムが必要である。専門家側の問題は、これまで安全を強調しすぎたことである。
・次世代への責任
 経済性の視点からいったん離れ、安全性を追求する実験炉を設けて技術を次の世代に伝えることが必要。
 技術は一度途絶えたら取り戻すことは困難であり、温存しなければならない。一番恐ろしいのは技術が失われてしまうこと。
 300~500年のスケールで国家的な戦略を示し、「人類の将来がかかっている」と若者を引き付けるメッセージを発信することが有効。少なくとも「原子力は社会悪」といった言説は払拭すべきである。

(2013.12.21 記)