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イッセイエッセイ

887号 新諸国物語(6)

2013年11月27日(水)

歴史教科書の統一【ロシア】
 プーチン政権は歴史教科書の統一に乗り出し、学校の指導要領の原案を公開した。歴史教育の目的を「自国の歴史への誇り」、「国民の一体感」を養うことを明記。ソ連の崩壊による体制移行で混乱した歴史解釈の再定義や、共産主義に代わり国民を束ねる価値観の確立を目指すという。
 少数民族とロシア人との関係は、支配による恩恵と見るようだ。ナポレオン戦争、日露戦争、約2,700万人が死亡したとされる大祖国戦争、関東軍の撃破などを記述。宗教はロシア正教を優先する。ソ連崩壊などの項目については、評価が難しい問題としている。(2013.9.19福井新聞)

 旧ソ連後における初めての国家統一史観の構築らしいが、まともな教科書を作るのはさぞかし難しかろう。

オバマ・ケア【アメリカ】
 米医療保険制度改革「オバマケア」は、米国民に保険加入を義務づけ、拒否すれば罰金を科すことが特徴。50人以上の雇用主には、従業員への保険提供が義務づけられる。医療費の高騰とそれに伴う民間保険料の急激な値上がりが改革の背景にある(米国民の一人当たりの年間治療費は、約81万円で日本の約2.5倍)。
 しかし「10年間で約93兆円に達する関連費用が米財政を圧迫する懸念」(野党の共和党)があるとして、予算審議が紛糾しており、先行きは楽観できない状況。(2013.9.28読売新聞)

 日本のような国民皆保険も赤字問題があるが、米国の問題はもっと厳しく見える。
 米国ではその後、10月16日に暫定予算と追加借入が議会で承認、デフォルトは回避できた。しかし、10月1日開設のオンライン保険登録サイトの接続障害や、「加入済み保険は維持できる」という大統領発言と実際の運用が異なる(法令基準を満たさない保険は解約)という問題が発生するなど、保険加入者は計画を大幅に下回る状況。
 アメリカの医療保険は民間主体のため、無保険者がおよそ4800万人(国民の約15%)もおり、貧困層は医者にかかれず寿命を縮めている。大統領は当時のロムニー知事(マサチューセッツ州)が行った仕組み、つまり貧困層に補助金付きの公的保険を提供し加入を義務づける方法を参考に制度設計。しかし、米国保険は出来高払いで、専門医は高額治療をやりたがるため、医療費の抑制問題が依然として残る。

女性の自動車運転【サウジアラビア】
 女性による車の運転が世界で唯一禁止されているサウジアラビアで運転解禁を求める運動が広がっている。明文規定はないが、国の方針で運転免許を取得できない。女性らは「統治の基本となっているイスラム法で禁止されていない範囲で、多様な価値観を受け入れるべき」と主張している。(2013.10.2毎日新聞)

中国の旅行法【中国】
 旅行業者が土産物店からリベートを受け取り、旅行者に強引に買い物をさせることを禁じた「旅行法」が施行された。契約違反があった場合は旅行者が賠償金を請求できる。また、旅行法では旅先でマナーを守る義務も規定するが、罰則規定がないためマナー改善につながるかは不明。(2013.10.3中日新聞)

「夜型生活」の解消【スペイン】
 スペイン下院の委員会は、時計の針を一時間遅らせ、経度の近いイギリスなどと時間帯を合わせるべきだとする報告書をまとめた。国民の夜型生活解消が狙いで、仕事の能率の向上も期待する。(2013.10.4毎日新聞)

 昼寝の習慣はもうなくなっているのだろうか。

高齢者の刑罰軽減【イタリア】
 イタリアでは75歳以上の被告が禁錮2年以下の刑を受けた場合、原則として収監されない。その代りに、自宅軟禁か社会奉仕活動のいずれかが科される。(2013.10.7読売新聞)

 代替刑の制度は、欧米やアジアなどの20か国以上で既に導入。社会復帰の促進、刑務所の過剰収容防止が背景にある。イタリアの場合は高齢であること(75歳以上)を理由としているらしい。

医学部卒の就職難【イタリア】
 30年ほど前までは、イタリアの大学には定員も入学試験もなかった。将来もうかる仕事に就こうとして、医学部や建築学部、法学部などに学生が殺到。その後、医学部が定員を設けた入試を始めるが、他学部も定員制を導入すると、再び医学部の志願者が多くなった。結果、国内の就職先が少なく、外国人の医師募集をしている英国で約2500人のイタリア人医師が働いている。(2013.10.13産経新聞)

 イタリアでは、医学部の定員が1万人で毎年9千人が卒業している。医師需要が増えているわけでなく、その先の専門課程の就職先は4500しかないと言われている。そもそも定員が多すぎるのか。20年余前の旅行で見たイタリアの応診医の姿は、クオレの小説の人物のようであった。

旧東独「理系頭脳」教師、西を圧倒【ドイツ】
 ドイツの義務教育9年生(14~15歳)を対象にした理数系科目の全国テストで、全16市州のうち旧東独5州の生徒の成績が上位を独占した。「東独では数学や科学が重視されてきており、その教育を受けた世代が、いま教壇に立っているため」と分析している。(2013.10.18毎日新聞)

 ドイツの教育も教師の力によって結果がちがうということか。

ドイツの休暇【ドイツ】
 経済協力開発機構によると、2010年の年間平均労働時間は日本の1733時間に対し、ドイツは1419時間であった。ドイツの企業では休暇中の同僚の仕事を肩代わりする態勢も整っており、また学校の長期休暇の時期を州ごとにずらし、渋滞緩和も図られている。(2013.10.19読売新聞)

 ドイツの休暇はヨーロッパでは短い方なのか。商店の開業日が休日など制約されているのは見たことがある。

自動車優先【インド】
 インド東部の大都市コルカタ中心部において、「車の邪魔」との理由から、自転車の通行が禁止され市民が困惑している。市民団体は「環境に優しい自転車が見直されている世界の風潮にも逆行し、国の恥」と禁止撤回を求めている。(2013.10.21読売新聞)

 自動車の邪魔になるものは、インドでは自転車のほかにいろいろあるのでは。

(2013.11.24 記)