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イッセイエッセイ

872号 秋の光

2013年10月04日(金)

 小松空港へまもなく着陸しようとする機の直下を、十艇ほどの小さく見えるボートが、競うように梯川を遡上して水尾が光っている。
 飛行場を出て朝日のそそぐ高速道に入る。ぴかぴか光る横幅の広がったオートバイが右後ろから抜いて走りゆき、次々とバイク10台ばかり隊伍をなして走り去る。思わず一般のトラックや自家用車の列は左側を徐行しはじめる。
 金津から丸岡に入ると左手の杉山を背景に、赤蜻蛉が谷合の田んぼの上に朝日の逆光を透かして、無数に白く浮んでいる。光のように降りそそぐと言った方がよい。やや走って高速道の脇に墓地が見えて、赤い彼岸花が周りを囲んでいる。
 高速道路が下り坂となり、いつもながら美しい山並みの風景が前方の視界に広がる。蕎麦畑もだんだん白い色をはっきりさせ始める。空を見上げれば、海の方の遠くにだけ薄く雲が重なっている。左手の高い峰の上あたりには、小さいはぐれ雲が、それぞれ白く静かに止ったように浮んでいる。

(2013.9.29 AM9時頃、車中記)