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808号 鳥のいろいろ

2013年04月27日(土)

 日も長く伸びてきたせいか太陽もまだ高くにあり、久しぶりに明るいうちに帰宅する。気持のよい六時頃の夕方である。
 しばらく見ないうちにサンシュユの花はもちろん散ってなくなり、若葉の小木になっている。前方の足羽山は全くの新緑であり、木々は繁り過ぎることなく黒い枝をすき間に見せながら、緑色が最高の柔らかさと多様さである。
 この山に向って、蝙蝠にやや似た不規則な飛び方をしながら頭上を去ってゆく鳩のような鳥がいる。このような見かけぬ小鳥ははじめてだ、そんなことを思いながら、九十度方向を変えて南の兎越山の方に目をやると、高く架っている高圧線に黒い小さい二つの影が並んでみえる。そこだけに注目すると遠いので小さい鳥の影のように感じるのだが、これは大きな鴉が二羽電線に止っている姿であるはずだ。ここは鴉の止り場所なのである。何のためにジッとしているのかはともかく、こちらの向きに止っていると想像する。空のまん中で二羽は宙ぶらりんに止まっている。きょうは風もなく、穏かな夕暮であり、塒に戻る前の小休止なのかもしれないが、この二羽がどんな関係にあるのかはわからない。もうすこし下の空を、数匹のコウモリが飛び始めた。これは正真のコウモリの飛び方である。
 そして、今日の昼の景色が浮かんできた。明るい窓の外を眺めていた時に、ちょうど燕が近くに飛んできた。最初二羽がまるでぶつかるかのように同じ方向に飛び交い、すぐ次にまた別の二羽の燕がほぼ同じような様子をして飛んでいた。燕が夫婦で活動するという話は聞いたことがないが、二組ともそれらしく見えたのである。
 そして高圧線から目を離して真上の方を見ると、低い電線にセキレイらしき鳥がこれは一羽だけで止っている。尾を動かさないのでセキレイではないかもしれないと思っているうちにどこかへ飛んでいってしまった。 

(2013.4.25 記)