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イッセイエッセイ

778号 エネルギー問題に対する意見から

2013年02月24日(日)

 資源エネルギー庁安藤部長
・「天然ガス」需給の状況 2010年→35年1.5倍になる。アジアは2.3倍の需要増の見込。
・アメリカは、生産および消費量とも、世界における天然ガスのシェアが最大の国(20%程度)、次にロシア。とくに生産はカタールなどが増加。
・世界の天然ガスの消費は、7割が各国でそれぞれ国内で消費。残りの国際的な取引分30%のうち、10%がLNGの形で、パイプラインによるものが20%である。
・世界の「LNG」の最大輸出国は、現在はカタールであり(30%)、以下はマレーシア(10%)、インドネシア(9%)、豪州(8%)など。
・LNGの最大輸入国は日本(32%)であり、ついで韓国(15%)、イギリス(8%)、インド(5%)、中国(5%)など。日本の輸入先は、数年前のマレーシアや豪州から、現在はカタール(18%)、豪州(18%)、マレーシア(18%)、ロシア(10%)などとなっている。
・「シェールガス」は頁岩の中の天然ガスである。水圧破砕により水平井戸による掘削、よって水が沢山いる。
 シェールガスの埋蔵分布は、在来の天然ガスの分布地域とはかなり違う(中国、米国、南米、東欧に多い)。なお、従来型のガスはロシア、イラン、カタールなど。
 米国では2006年からシェールガスが生産拡大し、輸入分野のマーケットが中東地域において緩和。そのため米国の需要をあてにしていたカタールのLNGが欧州へ、その結果ロシアは値下げに直面(プーチン戦略が苦戦)。そしてロシア側の中国への輸出売込の交渉は未妥結。そこでウラジオストックでのLNGプロジェクト計画が浮上(2018~20年頃に伊藤忠とガスプロム社が共同で年間1000万トンの生産予定)。
・米国ではLNG輸出は経済的利益をもたらし国益に合うという戦略調査が出ている。ただし、米議会では賛(共和)・否(民主)の両論あり。
・日本は東日本大震災後の原発停止により火力発電の稼働率が上昇し、LNGの需要は3割増(2012年は9000万トンで2000万トンの増)、調達費の増大し、需要3割増に対し価格5割増になっている。日本経済への影響は貿易赤字31年ぶりに転落(2011年2.6兆円)、2012年は6.9兆円に拡大。
・日本としては、米国からのLNG早期輸入、輸入源の多角化(ロシア、モザンピーク)、韓国・台湾・印度と消費国間の連携強化等によるバーゲニングパワーの強化、輸入価格の低下対策(価格コンシャスな支援、料金政策)が必要。
・天然ガスへのシフトに向けたインフラ整備について。三連動地震のリスクの高い太平洋側に、現在全国の60~80%を占める各種の供給インフラが立地し、有事の場合には相当長期の供給能力の途絶、損傷のおそれある。
 3.11地震の際は、新潟~仙台パイプラインが供給上の代替機能を果たした(仙台など36万の需要家の1年分に対応)。
・パイプラインについては、北陸地区のミッシングリンク(新潟~滋賀間)の解消化、天然ガスインフラの利用率の確保策、コスト低減のための建設規制の緩和(道路、農地、河川の占用許可など)が課題項目である。
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橘川武郎一橋大教授
・福井県サイドからみる希望学の知見(2009~2013年)。
 (1)ローカルアイデンティティ(地域らしさ)の再構築、(2)希望の共有、(3)地域内外でのネットワークの形成、これが希望学フィールド・スタディの目的。
 「嶺南らしさ」とは何かの発見。「共生すれども依存せず」(商工会青年部)、「原子力の町ではない」(原子力の町と云われたくない)、原発はone of them である。
・「大飯再稼働」の当事者能力はどこにあったか?国の信頼の崩壊。
 「危険性・必要性のジレンマ」の中で現実的な判断がどう可能だったか(関西広域連合―材料、組織、経験もない)。
・福井県は最大・最古の原発集積地、「安全神話」から相対的に独立した存在であった。政府の「ストレス・シナリオではなく」、「暫定安全基準シナリオ」に即し、今回の再稼働の政治的進展、最も苦労し悩む人たちが問題を解決した。
 これからの基本立場と大局観について。
・資源小国はエネルギーの選択性を安易に放棄すべきでない。
 これまでもベストミックスの追及が日本の知恵であった。しかし、バックエンド問題(①捨てる場所、②安全情報の長期的共有と伝達の確保)が未解決なら、人類全体にとって原子力は2050年までの過渡的なエネルギーにとどまる。
・「リアル」で「ポジティブ」な原発のたたみ方を、そろそろ考えるべき。
 推進派のリアリティの欠如(全電源喪失の備えなどが欠如していた)、反対派のポジティブな対案の欠如(過去に広島、福竜丸などの歴史があったはず)。
 これから時間をかけ、送電インフラを使っての①原発とLNG電源など組合せ、②廃炉事業、③中間貯蔵(乾式燃料プールの検討)また電力供給時よりも多い地元保管料を受けるべし、さらに④「もんじゅ」などの位置づけをIAEAとの連携模索。
・2030年のエネルギー・ミックスを考える場合、原発を独立変数にすべきでない。現実問題としての「火力シフト」(燃料調達、地球温暖化の防止)。
・LNGの「まとめ買い」が重要。カタール・ラスラファンLNG基地(ニーズに比し現在インフラが大すぎる)。米国テキサス州・バーネット・シェールガス田、ルイジアナ州・サビンパスLNG輸出入基地。
 日本としても、日韓としても「まとめ買い」戦略か。
 原発のたたみは2050年ごろ、安全な原子力とLNG。
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・国土強靭化(Building national resilience)藤井聡教授
 日本の国のレジリエンス(強靭性)を作ってゆくということ。(1)粘り強さ(防災=ゼロ、にしたいが出来ないことから致命的事態の回避、被災最小化)、(2)しなやかさ(迅速な回復)たとえば、イギリスではnational resilience planあり。building Fukui resilienceもありうる。
 なぜ、いまレジリエンスか。
(1)国家的危機に直面している(3.11など地震、笹子トンネルなどインフラ老朽化、世界恐慌、エネルギー危機、テロ、パンデミックetc)。これらの危機のもとは20世紀に生まれたものである。
(2)その覚悟で徹底的に強靭化のプロジェクトを進める必要がある。
 想定被災地の強靭化、一極集中の緩和(小生-防止もしくは抑止では?)、エネルギー安定供給の確保、インフラ老朽化対策、産業構造の強靭化(BCP、国による強制でなく誘導など)。
(3)各種の危機を突破する「国家強靭性」を獲得して、「デフレ脱却」、日本の「安寧」と「成長」がもたらされる。
 有機体としての近代的国家日本として見るべし、エネルギーを食べている国家を。うちわで煽ぐレベルの話しではない。

(2013.2.8 聞略粗記)