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イッセイエッセイ

769号 地理学への関心を(郷土地理学あるいは地形学など)

2013年02月04日(月)

 今日(2013.1.27)の新聞(日刊福井)の「教えて県民くん」は「福井のデータ 全国で何位?」がテーマ。
 『 「幸福度日本一」「小中学生の学力が全国でトップクラス」「眼鏡枠の出荷額日本一」―。福井には自慢できる全国第一位が沢山あります。でも、人口や面積など基本的な項目では、福井って何位なんだろう?教えて県民くん!』
という出だしである。
 しかし取材の中で、教育現場からは意外な説明があったという―2012年から都道府県による順位などはほとんど教えていないと思う。中学校の地理の学習指導要領が変わり、福井県より北陸地方のように、広い視野を重視するようになった―ということである。
 そういう説明ではなかったのかもしれないがもしそうなら、これは郷土教育の目からみて、甚だ残念なことである。指導要領に具体的にどのように記述があり、地理の実際の授業にまでどう影響を与えるものなのかは、調べないとはっきりしない。いずれにしても要は実際の教え方になるであろう。
 ふつう歴史のことは歴史教育を重視しよう、郷土史あるいは郷土の偉人を学ぼう、などという声はよく聞く。学校もそういう努力は広がっているだろう。だが歴史の元になる知識である地理、自分達の住んでいる郷土についての知識が、貧弱で曖昧なままでは話しにならない。
 今年のセンター試験の問題を翌日の新聞で見ると、「日本史」や「世界史」の問題は各紙とも載せている。しかし「地理B」については、読売、毎日、産経の各紙に掲載がなく、中日新聞だけが載せている。地理については、あまり思考力を要せず常識的で雑学的な科目とみられているわけではないだろうが、読者の関心が一般に低いのであろうか。「地理B」の具体の問題を調べてみると、日本の特定の地域に限定した問題をできるだけ避けて、世界各地の人文、気候に係わる問題がほとんどであり、国籍のはっきりしないところがある。その中で一問だけが直接に日本の地理の問題(徳島県の鳴門市、瀬戸大橋を扱っている)であった。しかし設問は受験生の出身地の不公平をなくすためか、かなり気を使った形になっており、その地域の実例が十分問題に生かされているようには見えない。
 いづれにしても地理学は、地理上の発見や探険の時代を経てこのかた、学問的な深化や分化といった発達があまり感じられない分野ではないだろうか(こちら側の不勉強かもしれないが)。郷土地理学の学校教育における重要性、関連科学における例えば地形学の学問的蓄積など、地理学として一層の奮起がいるのではないかと思える。

(2013.1.27 記)