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イッセイエッセイ

751号 冬景色

2012年12月15日(土)

 昨晩は就寝前、地面や屋根瓦が白くなっていたが、今朝は一面、雪の世界であり、市内では五センチほど水気の多い雪が積もっている。
 松の枝の横や斜めの枝の太い部分には、白く雪が付いている。雪の付いていない細く伸びた枝に、二羽の灰色の山鳩らしき鳥が止っている。躰をふっくらさせ毛や翼を上げたり広げたりしながら、また首を真反対に向け毛羽立てて、さかんに羽の奥をつついて毛づくろいである。ときどきは身ぶるいまでする。
 鳥を眺めている途中に西の山際が明るくなり、灰色雲が途切れて薄青い空の一部と明るい夏のような白い雲の頭が見え出す。
 木々の向こうの空に黒く動くものが見えるので何かと思うと、鳶である。風は強いはずだが、羽根をたえず捻りながら斜めにどんどん舞い上ってゆく。
 二羽の山鳩は十五分ほど松の枝に止っていたが、左側の鳩がにわかに左下に向けて枝を離れると、右の鳩もほとんど同時に一緒になって飛び去る。鳥たちが動き出す意思は何がそうさせるのか実にふしぎである。
 又すぐに山際の明るみも消えて、空は灰色の雲の底が重なり始めた。さらに間もなくして、低い雲と雲との境目が失せ、一番近い山の影も消え、雪を降らす煙のような雲が地上に向って圧迫してゆく。そう書いているうちに、目の前の窓では北から南へあるいは逆の方向に、霰まじりの小雪が降り出した。
 昨年の初雪も今日と同じ十二月の九日である。

(2012.12.9 朝十時ころ 記)