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イッセイエッセイ

732号 併事先動(事はついでに)

2012年09月11日(火)

 家事などは毎日くり返す仕事であるから、一つひとつの動作に無駄が生じた場合、時間のロスとなり仕事をしながら心理的にも不快の気持が起る。俄か手伝いをした場合には、すぐにこの失敗が起る。不都合を二、三回では直すこともできない。例えば雨戸を開けに行き、ついでに洗濯をする衣類の忘れ物をしないで元にもどってくるといった二つのことを一度に済ませれば再度の行き来はいらなくなる。だが修行が足らないのでそうはいかない。
 また茶を沸かそうと思っているのに先に茶を沸かして欲しいと言われると、うるさく感じて気分も乗らなくなる。
 この種のささいな日常の動作はスムーズに合理的に体を動かす心構えができさえすれば、仕事へのリズムが生まれ一種の心地良さが出てきて、仕事の乗りが良くなるわけである。
 いつも幾つかの仕事を併行して進めることは時間の有効な使い方の一つであり、決して一事に凝りすぎるべきものではない。また仕事は外から言われる前に、動き始めていることが、自己のモチベーションにとっても必要である。仕事は追いかけられたらもうまずいのであって、先に追うべきである。
 たえず次の段階に生き生きと目を向け、心をこめていなければ、愉快な仕事はできない。要するに色んなことをついでにしないといけないのである。

(2012.9.2 記)