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イッセイエッセイ

718号 事件が世を変える

2012年06月05日(火)

  九三九年(天慶二年)の平将門の乱は、現在のわれわれの想像をはるかにこえて、当時の貴族世界を文字どおり震撼させた大事件であったらしい。それから二百五十年後の1180年(治承四年)頼朝の挙兵、また四百年後の南北朝の動乱においても、王権側に対して兵乱や不吉な大事件が起きると、たちまち貴族たちは将門の乱を想い返し、そうして彼らは後代にその記憶を伝えていった。この恐怖の記憶と人々の現実の反応が、新しく武士の世界を誕生させる原因となる。
 そして将門の乱を平定した平貞盛、源経基の双方の家系が、武門のイエ((へき)(じゃ)の武)として広く尊重されるようになった。
 「平安京遷都」(岩波新書)から

(2012.5.27 記)