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イッセイエッセイ

682号 英語教育の早やわかり

2012年02月26日(日)

(以下は「英語学習7つの誤解」大津由紀雄著 生活人新書から)
 学校英文法そのものが悪かったのではなく、英文法が学習の助けとして役に立つように提供されなかった。学習英文法を深追いをしないこと。中学校で習う文法事項をしっかり押さえる。文の構造(とくに語順や五文型)をつかむことが重要である。感覚やイメージによる説明も限界がある(拡張にすぎる説明はいけない)。
 英語学習に学習の「臨界期」―身につけるために人間に備わった限られた期間―があるかどうかは十分には証明されていない。
 各外国語の学びやすさは、文法や発音などにおいて一長一短があり、全体としてほとんど難易に差がない。しかし言語間距離(日本語は韓国語に近く、英語とはきわめて遠い)は考慮すべき要因の一つである。
 英語教育に万人に適用する科学的方法があるわけではなく、要は努力とその継続である。
 英語学習者に対して習得成功者・専門家が勧める方法を、順不同に以下いくつか記す(著者が友人に対し行ったアンケートから)。
  ①単語を使われ方と共に覚える(辞書、英英辞典の活用)。
  ②NHKラジオ講座の継続的聴取(この意見者は多し)。
  ③短文などを大きな声で暗誦(この意見も多し)。
  ④基本単語(とくに動詞)の使い方をしっかり身につける。
  ⑤憶せずに、しゃべることと聞くこととの相互間で、うまいフィードバックを作る。
  ⑥英語は「勉強する」よりも「使うこと」。
  ⑦自分の英語の到達度をモニターできるようにする。

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(以下は「コミュニケーションのための英会話作法」大津栄一郎著 岩波アクティブ新書から)
 自分の考えをもつ。まずI think と言う、I don’t thinkと言う。Do(Don’t) you think…? と訊く、What do you think about(of)…? と訊く。How do you like…? と訊く。分かったふりをしないで、くり返し訊き返す(その時用いる常用句も知ること)。Why not? 、 Why so? と訊く。ネイティブの友人をつくる。易しい言葉と表現を使う(漢字で発想しないこと)。ボキャブラリーが足りないわけではない。少数の動詞の意味をよく知るget・take / put・set / make /使役動詞make、get、have、let / do / see・look・watch / see・meet / hear・listen / care・mind/ say・tell / speak・talk / discover・find / rise・arise / raise・stand / lay・lie / doubt・suspect / begin・start など。
 英語の音について、聞いたときにスペルを思い浮かべない。日本語は南方系の口を大きく開けて明瞭な母音の語である。一方の英語は北方系の口をあまり開けない曖昧な母音の言語である(口腔の中央部に集まって舌が動く)。長母音・短母音のリズムに乗せて英語は音を出す。独立子音・子音連続が英語にある(日本語と違う)。英語を丁寧に話すことは、単語を一つに区切って話すことではない。英語の発音は、個々の単語から解放されて1つの流れになっている(連音発声の教育が必要である)。

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(以下は「英語の質問箱」里中哲彦著 中公新書から)
英語学習に必要なことはたった二つ。
(1)目標を明確に。
(2)音読を心がける。つまり「只管(しかん)朗読」―音読によって、コロケーション(連語関係)とイントネーション(抑揚)、リズム(強弱)とフロー(流れ)を同時に身につけることができる。また聞きとれるスピードを身につけることができる。
〈英語教育で疑問に思っている個々の面白い質問は、省略する〉

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(以下は「独りで学べる英会話」 塩谷紘著 文春新書から)
 英語は独習できる。正しい使い方を示す例文を声に出して読み、ノートに書き写す作業をいとわないこと(ドナルド・キーン氏の日本語学習の秘訣はこれ)。その際に辞書・英英辞典(外国の幼児用、生徒用)を用い、ある単語の簡潔な英語説明、あるいは基本単語の同意語、反対語、派生語・他品詞語を探して語彙・語法を着実に豊かにしてゆく。
〈基本的な文化論、日本人の学習上の障害となる問題点は、ここでは略す。〉

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 各著者の真意を精確にはとりそこねているかもしれないが、以上のようなことである。
 なお「英語の壁」(マーク・ピーターセン著)はいろんなことが書いてあるが、直接に英語教育を扱っているわけではなく、また主張をまとめづらいので略す。

(以上2011.12.10までに記)

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 「日本人なら必ず誤訳する英文」(越前敏弥著 ディスカヴァー携書 2009年)は、英文を適当なところで妥協して訳してしまわないように、また誤読・誤訳を生じさせないための問題集であり指導本である。限りなく正確に読むために英文法を用いた構文解析をしている。翻訳などの場では、この種の英文に対する徹底さが必要であり、その意義をわきまえておくことは大事であろう。これは国語教育(とくに古典講読)においても必要なことだろう。著者はコミュニケーション教育の必要性はそれとして、この種の地道トレーニングが何処かにあってしかるべきと言うことを述べている。

(2011.12.11追記)

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 八木克正著「英語の疑問 新解決法」―伝統文法と言語理論を統合して(三省堂 2011年5月)は、英語学習において出くわす疑問について、goの過去形はなぜwentなのか、不定冠詞は母音の前でなぜanになるのか、など数多くの例をひいて解説する。
 I saw a dog running in the parkはどの文型になるか、など基礎から応用まで、話し手・書き手がある意味を表現したはずの英文をどのように正しく理解するかについて、基本的な方法論・文法事項、辞書の使い方を明らかにしたものである。 

(2011.12.18追記)