西川一誠後援会サイト

イッセイエッセイ詳細

イッセイエッセイ

652号 選択という問題

2011年10月27日(木)

 どうでもいいような問題はどちらでもよい事であって、ことさら選択したり選択に迷うことなどさらにないわけである。
 しかし、今ごろの世の中はそうではなくなって、つまらないものにも選択肢がついてまわるようになった。これは資本主義か社会主義か、右か左かといった時代には、その基本のところが重要であったから、細かい選択などはほとんど問題にしようともしなかった。
 しかし、世の中が資本主義の一辺倒になり市場主義が広くはびこってきたため、選択というものが流行りだした。人に無理やり選択をおしつけて、それを商売の一部にしてしまう風潮だってあらわれてきた。
 毎朝とり替えて着るYシャツの色や襟の形も、すべて白のオーソドックスにしておけば、どれにするか全く考える必要もない。しかし、なまじ夏のシーズンには色んな種類がハンガーに掛っているので、枝葉末節などちらでもかまわぬことに迷ったりする自分を発見する。
 選択せよと求められ選択を意識するので、人々は行動において自己決定をいそぎがちになり、役に立たない思いつき、愚にもつかない行動が世の中にあらわれる。そしてますます根幹とすべき選択肢から遠く離れてゆく。

(2011.10.23記)