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イッセイエッセイ

640号 タイムマシン

2011年09月26日(月)

 昨日2011年9月24日付の新聞には、ニュートリノが光より速いという相対性理論を揺がすような観測結果を、欧州合同原子核研究機関(日本の名大、神大なども参加)が発表したことを報じている。今日は、その詳しい解説記事をのせている新聞もある。
 モノが速く動いて、それが光速に近づくほど、時間の進み方は遅くなりゼロに近づく。またその物質の重さも、光速に近づくと無限大に迫り、それ以上加速できなくなる。これは100年近い相対性理論の結論である。
 しかし、光よりも速い物があると、この相対性理論と矛盾するという科学上のパラダイム転換に直面する。あるいは4次元を超えて存在する別の次元を、そのニュートリノがバイパスして光速より早く着いたように見えるという説明もありうるらしい。いずれにしても実験結果に過誤がないか、データの検証は十分か、また仮に速いとしてもそのための合理的な説明がなんとしても必要となる話である。
 光より早く先回りできるということになると、場所の移動を時間より早くでき、また現在時点よりも昔の姿をもう一度見ることができることを意味する。例えば自分の子供のころの姿を自分で見ることができることになる。それはタイムマシン(Teleport machine)が可能となる世界である。
 以前、ノーベル賞科学者の小柴昌俊先生にお会いしたとき、福井でも場所的に長い直線を用意できると実験できるのだがと言われたのは、このセルン(スイス)からグランサッソ(イタリア)の間730kmのことかと思いあたった。この間を粒子とも波ともつかぬ素粒子ニュートリノは、光よりも1億分の6秒(60ナノ秒)早く到着したというのである。
 もしそうであれば、1987年に小柴先生がカミオカンデで観測した超新星爆発で放出されたニュートリノは光よりも1年は早く地球に到着していなければならないはずだが、同時に観測されているので矛盾があるということになる。
 こういう面白い血のわくような科学理論は、理科の授業課程でいうと僕らの時代は高校3年の最後のところにあったから、ほとんど教わっていない。今はどうだが知らないが、中学1年の生徒に対してだって、わかりやすく教えれば何の問題もない興味深い科学テーマのように考えるのだが。

 

(2011.9.25記)