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イッセイエッセイ

589号 地方と国外

2010年10月28日(木)

 地球上にある多くの新興国に対し、日本が先進国として応援をする場合、それぞれの国の状況に従って、支援の程度に差異をつけることは大いにありうることであり、そのことに特別な弊害は生じない。よく似た国に対して、よほど極端な意図的な差別をする場合はともかく、相手国も一般には不平をいう筋合いはない。
 ではこの種のことを、日本の中央政府と地方との間で想定するとどうなるであろうか。もしもA県とB県の間に差を設けたり、A地域とB地域に対する補助に違いがあったりすると、おそらく不満が出る。たとい施策の内容はよくても、実行できないことが多いだろう。
 なぜ対外的なものと国内的なものの間で違いが生じてしまうのか、その原因は何なのか。
 一つには、日本のA県からZ県までは、互いがそれぞれ対等であり同時に似てもいると考えるから、合理的な区別をする線引き基準が技術的につくりにくい点がある。
 二つには、各地方は一国内で一つの統一機構に属しているから、政府の決定権者といっても結局それぞれA県ないしZ県に関係する人々であるから、意思決定に綱引きが生じるのである。
 こうした背景があって、限られた国家資金について政策的にインセンティブを加えようとすると、十分な議論を経ないまま、国内より海外の方に優先的に支援されることが起ったりする。それにいささかの島国精神も加わったりする。国内に資金がとどまる場合であっても、一国二制度は採れないといったイデオロギーにとらわれたり、また唯一特別な地位にある首都が公平基準から外れて、そこに投資が集中されてしまうことになる。

(2010.10.9-10.23記)