西川一誠後援会サイト

イッセイエッセイ詳細

イッセイエッセイ

1325号 勇気・自信・研究(将棋の場合)

2018年06月27日(水)

 最近引退された将棋の加藤一二三名人の講演をラジオ(録音)で聴いた。
 さまざまなことを加藤さんの口調で話しておられたが、その中の一つ「勇気をもて」、つまり「弱気を出してはならぬ」という人生訓についてである。
 いったん弱気の蟲にとりつかれて将棋の勝負に挑むと、することなすこと相手の指手が良く見えてしまうという弊に陥いる、さらには自分の好手をみすみす見逃してしまう、という体験談である。
 また将棋指しは自信過剰が大事であって、羽生氏は75%、大山氏は85%、自分は95%、ここぞという一手が正しいと確信して打ち、結果がそのようであった確率だと語っているのである。大した自信である。
 勇気と自信を失わないためには、規則正しい生活をすること、精神的にたくましく病気にならないようにする、といった教訓も語っておられた。
 最近は若い人達によるAIを用いた将棋研究が活発であり、若手と対戦するとき全く新しい指し方が現れて来て、これまでだったらこれは悪手だと思って対抗できたのだが、今やそれが研究を尽した妙手ではないかと勘ぐってしまうようになったので引退した、といった面白いエピソードも語っておられる。

(2018.5月頃 記)