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1311号 ダイノ争論(5)―飛ぶこと、卵をあたためること

2018年04月22日(日)

 英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」(3月14日)に、ジュラ紀に生息していたというかの有名な始祖鳥は、自力で羽ばたいて飛べた可能性が高いということを、フランスなどの研究チームが発表との記事あり(2018.3.14朝日新聞社会面)
 どういう方法でその推論をしたかについては、フランスにある「大型放射光施設」(ESRF)という装置でもって、始祖鳥の翼を支える上腕骨などの内部構造を観察し、当時の小型恐竜などに比べて骨の断面の多くを空洞が占めていて軽量化が進んでいたことがわかったからだという。恐竜や翼竜そして現在の鳥類など69種の骨の特徴を統計的に分析した結果、キジやクジャクなど短い距離を飛ぶ鳥グループに近いことが判明したという研究結果である。
 この放射光というのがどういう実験装置か知識に欠けるが、福井県の陽子線装置などが利用できるケースが可能だとしたら、研究分野の発展が見込めるかもしれない。
 また続いて英国の科学誌(3月15日)に名古屋大博物館の研究員らの国際研究チームが、恐竜の卵の温め方について太陽光や植物発酵を利用する二つの方法によった、という研究成果を発表したという記事が出ている(2018.3.16日刊福井)
 このチームは世界各地で見つかっている192例の巣の化石を調査し、あわせて鳥類やワニ類などの営巣や生態とも比較調査したうえで、巣の材料によって卵の温め方が決まり、砂を材料にしたものは太陽熱で温め、植物(葉か木クズ)と土で巣を作った恐竜は微生物の発酵熱を利用したという調査結果である。
 この植物発酵熱を利用する方法は、寒い高緯度地域でも可能であるから、恐竜の生息分布域に影響を与ることになったであろうというのが研究員の発言である。
 マイアサウラという優しい名前(良い母親トカゲの意)をもつ白亜紀後期に北アメリカ大陸にいたハドロサウルス科の草食恐竜は、恐竜の中では初めて本格的に子育てをしたという研究があるので、これを補完する成果になろうか。

(2018.4.13 記)