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イッセイエッセイ

1243号 みやこの花に目はうつるとも(大学の立地問題)

2017年06月26日(月)

 私立大学連盟が、都内23区内の大学定員増を認めないとする政府の方針に対し批判的な表明を出し、立教大学総長(吉岡智哉氏)は連盟副会長の立場から、定員規制の問題点をインタビューで答えておられる。(2017.6.19 記)(日経新聞(14面)2017.6.19)

・「東京一極集中が地方の犠牲の上に成り立っているのは明らかで、地方創成や地域の活性化、地方大学の振興という政府の考え方に異存はない」

 総論賛成、趣旨同感ということである。

・「だからといって東京23区の大学総定員を現状のまま規制すれば、学生や若い世代が東京に来る動きを止められるかというと非常に疑問だ」

 東京に若者が集まる要因には、彼らの就職によるものもあり、大学だけに集まるのではない。定員抑制によって東京への動きを止められるか、手段としては疑問、という。

・「進学者の大半を東京都内や近隣県の出身者が占めていて、実は地方の高校生があまり来ない」、「地方の経済的停滞や高額な東京の生活費が要因だが・・・若者が学生時代に東京に出て学んだり都市の文化に触れたりし、卒業して再び地方に戻る還流システムが機能しなくなっている」

 東京にある大学における、在学生のローカル化、均質化が進んでおり、学生の多様性が失われている、というのが悩みだという。

・「政府方針は、地方の高校生は卒業したら東京に出ないで地方に残り、地方大学から地方企業に就職することが良いことなんだ、というメッセージになりかねない」
 「地方学生の勉学の機会や人生設計の機会を奪うことになる。優秀な人や経済的に恵まれた人は東京に行き、いけない人が地方にとどまるのでは、地方はますます停滞する」

 生涯にわたり地方に住むという固定化を問題視されているようだが、こうした心配と定員抑制との間にはマクロ的な因果関係はほとんどないのでは。

・「私立大学は少しずつ学生を増やして収入を増やし、イノベーションの原資をひねり出すしかない。定員増が認められないと、学費を値上げするしか道はなくなる」

 もっと厳しい地方の大学の方はどうしたらよいというのだろうか。

・「地方の私立大学は学生を集めにくい。そこで、東京と地方の大学で単位交換や国内留学の仕組みをつくるのはどうだろうか」

 東京の私立大学はなぜ学生を集めやすいのか、一考を加えるべきであろう。上記の仕組みだけでは根本の解決にならぬようにみえる。

(2017.6.19 記)