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1178号 小学校の英語教育―子供の興味と能力

2016年08月17日(水)

 2020年度から小学校(5~6年生)で英語が教科化されるのを前に、全国の小学校では様々な準備や実験的な授業が行われているようだ。福井県では全国に先駆けて、さらに二年先行する形で小学校の英語教育を充実させている。
 いまスクラップしてある新聞を手にとると、2016.7.7「教育ルネサンス―英語の授業が変る」(読売新聞)では、“小学校から文字や単語”と題して、徳島県の鳴門市内の小学6年生の英語の授業風景が報告されている。
 この記事によると、現行の学習指導要領では小学校の「外国語活動」は、聞く・話すの音声を中心とし、文字や単語は音声コミュニケーションを補助する程度として説明されている。小学校教員は文字指導に関しては消極的であり、これをタブー視するらしいのである。
 しかし2013年度に文科省の研究開発学校に指定された同市の林崎小学校では3年生から英語の文字指導をしているようだ。短い会話文まで作るとのことである。
 文科省の2014年の調査では、中学1年生に対し小学校時の外国語活動でもっと学習したかったことを聞いたところ、約8割の生徒が「英単語や英文を読む」、「英単語や英文を書く」こと、と回答しているということである(同紙記事)。
 ここから分かることは、現在の外国語の学習が、子供たちの欲求や能力の強さに合っていないということである。先生たちも教室内の子供たちの空気よりも、決まりの方に気が向いてしまっていて、緩んだ授業が結果としてなされているのではないかということなのである。
 ここで一番欠けている点をあえて例えるなら、外国語(英語)の学習を難しい科目と考えて(と言うのも先生にとって英語を聞いたり話したりすることは、やっかいなのである)、子供たちにとってその年齢までに自然に身につけた日本語学習と英語学習が全くよく似たことであることに気を向けない問題である。
 記事で報告している小学校では、サイコロを振ってlibrary、swimming pool、gymなどと、子供たちが綴りを書き写している。しかしもっとあっさりと英語に直接慣れるようにし、日本語との違いなど大事な点に真剣にアタックすべきであって、英語を早く始めるだけに終らないようにして欲しいのである。

(2016.8.11 記)