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イッセイエッセイ

1128号 遠近感

2016年03月21日(月)

 高い建物から下方の視野に広がる町の様子を眺めている。すぐ真下近くの市街地は、人や車の動き、空地、公園などがよく眺められる。平地で見ている時よりも当り前のことかもしれぬが空間にすき間が多く、すかすかですき間だらけである。しかし眼を遠くの先にやるほど小さく建物は重なり合い詰ってきて、空地はおろか町の先にあるはずの田や畑の広がりはまったくかくれて、町並みがそのまま海岸と丘陵地につながっているようにしか見えない。
 近くのものは数もかぞえられその位置もはっきりしている。そして空間の疎密や建物の大小もありありと目に入る。一方、遠くのものは無数にあるように見え、かつコンパクトに充実して見える。
 われわれが身近なものに欠点を感じる。そこでは望ましいものもさがしてみても見当たらないと判断してしまう。その結果どこか別のやや遠いところにより良いものが在るのではないかと思う。それはこうした遠近の視野の罠にはまっているのかもしれぬ。
 人がこんなに沢山いるのに人材が見つからないと思う現象も類似した感覚からくるものと思うが、ただこちらの問題はまず人が沢山いるというのは現実である。しかし近くに適材がいないという現実が当っているとしたら困ったことになる。しかし人材の立場からすると登用の確率を上げるチャンスだともいえる。

(2016.3.17 記)