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イッセイエッセイ

1124号 橋をかける

2016年03月15日(火)

 フィナイシャル・タイムズ(米国版)編集長であるジリアン・テットさん(48歳)に対するインタビューと紹介がフロントランナー「社会人類学から経済記者へ」として「be」(朝日新聞 2016.2.27(土))に載っている。以下はそのあらまし。
 彼女はケンブリッヂ大卒、1997年から2002年までこのF・Tの特派員として在日、うち2000年からは東京支局長として。12歳と10歳の子をもつシングルマザーであり、ちょうど日本のバブルと不良債権問題を体験しており、初著は『セイビング・ザ・サン』、近著に『サイロ・エフェクト』がある。
 お金の観点からしか経済を描かない問題を思い、そこでお金(経済・金融)と社会・文化の間に橋をかけることを生涯の仕事・役割と決める、経済が苦手だったので「週末には経済本を読んで読みまくりました」とある。
 『サイロ・エフェクト』は専門化、効率化の進行による細分化、縦割化の問題と克服を扱っている。ソニーの問題、第二次大戦の日本陸軍と海軍など、古典的でありかつ現代的な問題。「人間は分類する生き物ですから、元々、サイロに陥る性向があります。サイロをなくすことはできない。どう対処するかを考えればいい」という。
 「インサイダー兼アウトサイダー」の取材手法をとる、「取材対象に深く入り込みながら、客観的視点を忘れない。総合的に見つつ一人一人に着目し、ボトムアップで文化を観察します」。日本の場合は、「建前」と「本音」の区分がその思考法や行動の背後にある。
 「女性たちに言いたいのは、勇敢であること、柔軟であること、それから感謝を忘れないことです」
 インターネットの普及で苦しい新聞メディアに対しては、「信頼できるコンパスのような役割」、「グローバルなものの見方」、「経済や政治といった分野を超えた視点」を提供できるメディアは重要であり、これができている新聞は少ない、ジャーナリストというのは「好奇心の赴くままに『なぜ』と質問できる。最高の仕事だと思っています」と考えている。

(2016.3.13 記)