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イッセイエッセイ

1046号 物に心を動かされ(小説について)

2015年06月28日(日)

 この週には、「吉村昭が伝えたかったこと」(文春文庫2013年)中の「『冬の鷹』の衝撃」関川夏央著、同じく関川夏央著「おじさんはなぜ時代小説が好きか」(岩波書店2006年)中の森鷗外、長谷川伸の章のところ、今川英子編「林芙美子巴里の恋」(2001年中央公論新社)、そして芥川賞全集第十五巻(2002年文藝春秋者)中の辻原登「村の名前」(平成2年上半期受章)を読んだ。今日(6月27日)は日本文藝家協会と福井ふるさと文学館が共催したシンポジウム、「文学館の現在と将来」が開かれるということであり、パネリストとして来県された関川夏央氏(作家)、今川英子氏(文学研究者)、辻原登氏(作家)と、夕刻懇談するため読んだものである。椎名誠氏はシンポジウムにのみ出席され、館長の津村節子さんは都合で来福されなかった。

 
久し振りに自分にとって「新しい」小説を読んだり眺めたりしたことになった。以前はそうでもなかったのだが、ここ十数年は悲劇的な傾向の読物はどうも受けつけず、ハッピーエンドないし幸せとも不幸せともつかない中間程度のストーリーなら読む気になるという調子になっている。要すれば、残念なことに物に心を動かされやすくなってしまったのである。

(2015.6.27 記)