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1005号 さらば台風

2014年10月29日(水)

 台風19号も、はじめはゆっくりと、上陸してからは速度を速めて列島を縦断したばかりだ。飛行機の窓からは富士山だけが台風の名残りの白い雲の上に頭を出している。空気がすみ、岐阜県の上空で駿河湾、伊豆半島、さらに相模湾、三浦半島のうすい形さえ見え、伊豆半島の向こうには大島そして南の方に伊豆七島が見える。左下の山岳地帯から流れ出る濁った水はきわ立った色をしているので、上流から海岸まで下ってゆく地形の高低さを立体的に感じさせ、大河の河口ごとに海上に黄土色の弧を多重の扇形に、あるいは変形して描いている。その先の沖合はまた風が強いらしく、点々と波頭の白さを無数に青い海に描いている。そして吾が機の下のごく近くを、一機のジェットが横に流れるように速いスピードで過ぎてゆく……

(2014.10.11 記)