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イッセイエッセイ

1004号 ノーベル物理学者

2014年10月14日(火)

 日本人三人の研究者が、今年のノーベル物理学賞を同時受賞した。次の日の新聞では、最も学者らしく一番年長で戦時経験もある赤崎先生が、いくつかの感想に加えて以下のようなことを述べているのが印象的だった。
 …学生に対し「今、私が話すことは全部分かる必要はないが、とにかく聞いておくように」と指導する。「おいおい勉強して分かっていけばいいんです。私自身がそうでしたから…(赤崎勇 名城大終身教授の談から 産経新聞 10/8)
 何が印象的かという点であるが、先生がお弟子さんや学生達に、いま彼等が理解できることだけに限って教えてはいないということである。その時は分からなくても、広く深く教えておく必要を自覚されているのだと思う。
 ひるがえって小・中・高校の先生と話すとき感じるのだが、ともかく生徒たちを決まった教科書の枠内にとどめて、これが生徒のために分かりやすく、子供がつまづかないやり方だと理解していることである。分かることを大事に思って授業を行っていたら、かえって授業が分かりにくくなることは必定であり、突破力はつかないと考えるのである。
 一方、加大サンタバーバラ校の中村修二教授は、日本企業のグローバル化が失敗した最大の原因として、新聞記事をそのまま引用すると『「英語ができないこと」を挙げ、「日本は第一言語を英語にするぐらいの大改革をしないと経済が収縮するだけだ」と警鐘を鳴らした』とある。(共同通信インタビュー 福井新聞 10/9)
 学術研究や技術開発では日本が競争に勝っていても、ビジネス化する段階で他国に負けていることを問題としているのだと思う。

(2014.10.10 記)