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イッセイエッセイ

1000号 きっかけについて

2014年10月10日(金)

 自分の行動に変化を生じさせる際には、たとえば何かを始めるとき、進めるとき、あるいは何かを選ぶとき、そのことが大事なことであれささいな事であれ、切っ掛けがまずたいせつである。
 すべて世のなか計画どおり事が運べる訳でもない。さりとて無理やり進めることもできない。切っ掛けを失えば、その場はそれで一応おしまい、次の機会はすぐに来ないことがある。
 政治にたずさわる仕事も、誰もが出来るというものではない。切っ掛けを得なければ、また得ることができる場合でなければ、実現は不可能である。
 数日前、NHKのラジオアーカイブス(録音)に「人生劇場」を書いた尾﨑士郎が登場していた。戦前そして戦後も日本人の心を長くとらえた小説家であり、作中の人物達はさらに有名である。鶴田浩二などの映画にもなり、流行歌も長く歌われた。尾﨑士郎は、一般大衆はもとより川端康成、小林秀雄、三島由紀夫といったこの作家と対蹠的とも考えられる作家にも評価されたという(大村彦次郎氏の解説である)。尾﨑士郎は幸田露伴先生に教えを受ける機会があり、文学の急所は切っ掛けを大切にすることであり、これをつかむ必要を言われたそうである。放送内容からはくわしい意味はわからないが、どうもそういうことらしい。よい切っ掛けをつかめば、難しいことも受け入れられ、新しい仕事も実現できる。

(2014.10.6 記)