日記ブログ
 

2008年
●5月
 322号(2008.5.31)
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 320号(2008.5.31) 
 
 

320号   樹木のはなし

 今日は敦賀市で第50回の県緑化大会があった。敦賀の子供たちが来年の全国植樹祭の会場となる一乗谷朝倉遺跡の小学校と樹木の交換を行い、また嶺南の小学生の森づくりの宣言などをして、好天にふさわしい行事となった。
 また最近、県版の「名木名花」のガイドブックも公表された。樹木への関心を県民運動として広げてゆきたい。
  次の本は、一年ほど前に読んだ樹木についての随筆である 。

(‘08.5.18記)

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 カラマツからサクラまで20篇にわたる野生の樹木についての物語である。作者はマーリオ・リゴーニ・ステルン(1921年〜)。アルプス南麓の山村に住む。イタリアでは有名な作家らしく、ナチスの収容所から奇跡的に脱出した経験をもつ人として知られている。しかし、自分には初めて知る名前である。
 本の中に載っている木の名はすべてわかるのであるが、はっきり特徴を認知できない木も半分くらいはある。日本人とちがって、それぞれの木々にまつわるエッセイであっても、木の美しさや風景を叙情的に述べるのではなく、博物学的に、効用的に、そして景観や歴史に及ぶ。
 マツ、ブナ、クリ、ヤナギ、クルミ、カエデ、サクラと読んだ。日本のものと名前は同じでも、例えばサクラはサクランボのなる桜であり、植わっている場所も気候も違う。同じ木の名であっても沢山の種類があるようであり、書いてあることが、日本のような情景としてはつかみにくい。
 以下、樹木についてその語るところをみよう。
サクラ 「アジアが原産とされる。中国の古い詩に詠われ、日本では神道を信仰する者たちの崇敬と祭儀の対象とされ、古来、開花の時期は大がかりな祭りが行われてきた。」
カエデ 「後日、ものの本で知ったことだが、カエデの葉は格別にミネラル、ヴィタミン、窒素に富み、セルロースはあまり含まず、草食動物にとっては、薬草以上に好ましい滋養源だという。」
クルミ 「根に毒をもつので、ほかの樹木はクルミの木のそばでは育たない。」
ヤナギ 「地盤を固めるという利用価値があるため、1529年にパルマで公布されたサルツァーノ憲章もまた、河川や渓流沿いのこの木の伐採を禁じている。」
クリ 「イタリアにはヨーロッパのどこよりもクリ林が広く分布しており、年間およそ100万立方メートルの木材を産出している。建材、梁や桁、樽板、鉱山の杭、電柱など、さまざまに利用される。」
ブナ 「ことのほか木目が細かく、まっすぐに伸びた幹は、根に近い部分を残しておき、木目に沿って真っぷたつに割ってから、納屋の下で紐で吊るして乾燥させた。こうした木片からは、あらゆる道具の柄が作り出された。」
マツ 「五月から六月にかけてが花盛りで、微かな風のそよぎで雄花から花粉が飛ぶものだから、木の下を歩いているといつの間にか服が黄色い粉まみれになっていたりする。昔はこれを<神秘の硫黄の雨>と呼んでいたものだ。」

(以上「ARBORETO SALVATICO 1991年 野生の樹木園、みすず書房2007年6月 志村啓子訳」)

(‘07.7.15記)
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秋の陽を浴びて瓦はあたたかし屋根に登りて棗とりし日
胡桃 水浴びに通る沼辺の胡桃の木きょうも幹には蝉のとまれり
いくたびか屋根打つ音の夕べせし栗の落ちしと妻の言う朝
手にとりてオテラノモミジ算えみる字の数合うよ此の葉は食える
雨うけて停車場に散る桜花ながめて後の少年のこころ

(‘07.7.16記)