日記ブログ
 

2008年
●4月
 319号(2008.4.22)
 318号(2008.4.22)
 317号(2008.4.22)
 316号(2008.4.22)
 
 

316号  日曜の新聞探訪

 日曜日の新聞は、紙面が他の曜日とは異なる。日曜版が加わる新聞もある。また、書評など読書欄の頁、和歌や俳句の文芸面を用意しているのが日曜の新聞の特徴だ。
 日曜の残りの紙面一般も、多少は休日的になっており、読者の我々も気持に余裕があるせいか、ゆっくり新聞を眺めることになる。だから平日よりも新聞の中味が面白くて充実しているような感想をもつ。
 休日に犯罪を実行すると通常よりも重く罰せられる国がある、といった話は聞いたことがないが、やはり土・日には事件も比較的少ないだろう。
 今日(3月30日)の日曜日の紙面をみると、色々と面白い話が掲載されている。
 読売新聞の「編集手帳」には、百年余り前のフランスのシャルル・ヴァグネルという人の著書のことが書いてある。この宗教家が著した「簡素な生活」は、スローライフ、シンプルライフ、清貧などの言葉があてはまるような本らしい。この講談社学術文庫の邦訳を監修されている祖田修先生(福井県立大学長)が、ヴァグネルの思想でもある「着土」が大切であり、「私たちは土から離れ、土の素朴な温もりや、匂いを忘れた」と書いていることが紹介されている。また若者の健全な楽しみや笑い、といったことも内容に入っているようだ。読まざるべからず。
 土着の反対の着土という言葉なのだろう。この宗教家が実際に笑う人、であったのかどうかは知らないが、一般によく笑うような人は、笑いの研究などはあまりしない人かもしれぬ。
 同じ第一面の「地球を読む」に、未来学・社会学のトフラー夫妻が、いま最中の大統領選を題材に、どの候補者も米国の革命的な経済・社会の変化に気づいていないと警告している。米国はいま産業主義の断末魔の中を生きており、米国はもはや産業社会ではない。にもかかわらず、昔と類似の「変化」意識をもって、変革を叫んでいるとする。どうやら新しい諸改革の方向は「ポスト産業主義」であると主張しているらしく、知識経済、サービス経済を意味するようである。ではこれからどうすべきかの点は、彼らが現実と向い合うべき時が、真の政治的変化だと述べるのみ。その先は十分に予言されていない。
 中日新聞の「読書」の「この人この本」には、「平安時代の夢分析」という書物がのっている。平安貴族は朝食前に前日の日記をつけることが日課だったようだ。平安貴族は夜中まで仕事をしていて、今のサラリーマンよりよほど忙しかった、と書いてあるが本当だろうか。
 産経新聞のシリーズ「環境次世代へ」では、イトヨの生息南限地として福井県大野市の保護活動の様子が、一面にわたり紹介されていて、うれしくもあり参考にもなる。地球温暖化問題を考えると、南限動物は福井の典型的な環境指標にしたらよいのではないか。
 毎日新聞は「今朝のうた」として、「夜半さめて見れば夜半さえ しらじらと桜散りおり とどまらざらん」(馬場あき子)の歌が解説されている。次週も期待と思ったら、このシリーズは年度末になり今日で終りと書いてある。同紙の福井版を見ると、転任される蓮見支局長の「手紙」がのっている。福井を去るに当って言い残したいこと、と知事から聞かれて、自殺とゴミ、負をプラスに転ずる福井のバイタリティを期待、と旅立ちの弁を述べている。確かに福井はマイナスをプラスに転ずるところが他県より弱い感じもする。
 毎日の「今週の本棚」はいつも充実して面白い。「ティファニーで朝食を」の村上春樹の新訳についての書評が出ている。1960年の龍口直太郎の訳では、「ある晴れた朝、目をさまし、ティファニーで朝食を食べるようになっても、あたし自身というものは失いたくないのね」となっている。村上訳は「いつの日か目覚めて、ティファニーで朝ごはんを食べるときにも、この自分のままでいたいの」と柔らかく和語調、日本語文学風になっているようだ。朝食なのか朝ごはんなのか、どちらでも変りがないような気もするが。
 また、井上ひさし「ボローニア紀行」では、ボローニアには、道路拡張を叫ぶ人も中央との格差もない、と書評は現代日本を批判しながらボローニア方式を評価している。しかし元々イタリアにはそんなことをするお金も仕組みもないのではないだろうか。
 同紙の第3面には、福井県の農業試験場のDNA研究分析で、人気の「コシヒカリ」の粘りの源は、昭和初期にまずいコメの代表とされた「愛国」に由来することが判明とのトピック記事(29日川崎市での日本育種学会において発表)。これから後の研究を期待する。
 朝日新聞の日曜版「be」の「ナントカ学」には、福井の繊維メーカーによる軽量アラミド繊維による「三軸織」が紹介。英国ブランド「グローブ・トロッター」のスーツケースに採用、これらのデザイナーの小管一彦さん。またパリコレクションが福井の生地メーカーの高級生地を使い出していることも。もっと福井の話題を全国に。
(‘08.3.30記)